電磁流量計
1,原理
電磁流量計は、ファラデーの電磁誘導の法則を利用して流量を検出します。
電磁誘導の法則は、1832年にファラデーによって見出されました。ファラデーの電磁誘導の法則は、磁界と導電性流体の流れとそれにより発生する起電力との関係を示します。
電磁流量計は『JIS B 7554』に規定されています。
電磁流量計への適用
下図に電磁流量計の原理図を示します。
内面を絶縁性のライニング材で内張りされた、被測定物が通過する測定管(内径:D)が、磁束密度Bの磁界中に置かれています。管内を平均流速Vで導電性流体(水も導電性流体です)が流れた状態で、流れと磁界のそれぞれに直格の方向に電極を置くと、電極間には
\[\small E=kBvD\]
の起電力が発生します。ここで
E:起電力 (V)
k:比例定数
B:磁束密度 (T)
v:管内を通過する流体の平均流速 (m/s)
D:配管内径 (D)
測定できるのは、導電性のある液体のみです。通常の水は測定に問題ありませんが、油、有機溶剤などの低い導電率の流体は測定できません。
流量が増加すると、水の移動エネルギーが増加するため、発生する起電力が大きくなります。
2,特徴
■ 長所
(1)液体の温度、圧力、密度、粘度の影響をほとんど受けない。
(2)導電率が一定以上(20μS/m,(5μS/m)以上)であれば、導電率の影響を受けないで、体積流量を測定できます。このため、測定流体の種類にかかわらず、水(日本の平均的な河川の導電率 50~100μS/cm)で実流量校正ができます。
(3)測定管内に抵抗となる障害物が無いので、圧力損失がありません。
(4)固形物や気泡を含む液体でも体積流量を測定できます。
(5)流量計の出力は流量に比例します。比較的精度が高いです。
(6)『JIS B 7554』では、検出器の口径が10~2600mmの広い範囲で規定されています。広い流量範囲にわたって同じ原理で測定ができます。
(7)一般的に応答性が高いです。
(8)正逆流量の測定が可能です。
(9)可動部が有りません。
■ 短所
(1)気体や導電性の低い液体は測定できません。
(2)大口径の場合、比較的効果で、設置工事の費用が大きい。
(3)流れを整流させるために直管部が必要です『JIS B 7554に規定されています』。しかし、差圧式流量計などに比較して短い直管長で問題ありません。
(4)腐食性流体に対しては、ライニング材、電極、接液リング材料の検討が必要です。
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電極:ハステロイC対応流体 液体,薬液 測定範囲 0.03~10 m/sec 導電率 20μS/cm以上 温度範囲 M5000-M(変換器一体型)
0~100℃M5000-S(変換器分離型)
0~150℃周囲温度 -20~60℃